『理由』 | シャイなもんで

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京都を拠点に芝居をしている中野劇団主宰 中野 守の演劇に関する雑文やら、日記やら、映画の感想やらを綴ります。

宮部みゆき原作、大林宣彦監督『理由』見た。

ネタバレありんす。





有名な俳優さんがわんさか出てた。
2時間半くらいあるのかな、結構長かった。

こないだテレビで4話連続でやってたドラマのひとつと同じ内容なんだなと途中で気づいた。

全編、登場人物が誰かのインタビューに答えている場面ばかりを繋ぎあわせてひとつの映画にしているような手法で、それは一風変わったテイストであったけど、
自分の中では、これはどうにも効果的でないような気がした。

こないだのドラマはそれに比べ凡庸なというと語弊があるけど、いわゆるサスペンス二時間ドラマにありふれた雰囲気のテイストになっていた。
それは、原作読んでないからわからないけど、原作読んでる人にしてみれば、ちょっとテイスト喪失しているような感じを受けるのかもしれない。
けど、その凡庸な手法で与えてくれる感動というか、「作品を見ることで得られるもの」を、この大林監督版では得られなかったような気がした。
勿論先に最近のドラマの方を見て、展開を知っているから、比べるのはフェアではないことはわかっている。
ただもし、このドキュメンタリーの手法を用いつつ、ドラマで与えてくれた「果」をいただけたのなら、それはきっともっといい作品と呼べたのだろうなと。足し算的に。
そりゃまあ、映画を見てその反省を踏まえてドラマ作っているだろうからねえ。

あの手法は、最初意表をつかれて、いい感じで映画に入れそうなんだけど、
中だるみしないような工夫があったらなあ。途中ででうっとりした。
誰がどの役か掴みにくかったのが、その最たる理由かなあ。